日刊FXウォーカー

欧州の政局は不透明、安心感ない

イタリアでは上下両院で緊縮財政案が可決し、ベルルスコーニ首相が退陣、モンティ元欧州委員がナポリターナ大統領から新首相に指名されたことやギリシャでもパパデモス政権が発足したことで株価は上昇、イタリア国債利回りは低下して、対ドイツ国債利回りとのスプレッドも一時的に縮小しました。

 

こうした短期的な政局の安定期待から楽観的なムードが伝わっていましたが、週初めから軟調な展開が先行しました。イタリアでは、北部同盟や価値あるイタリアなどがモンティ新政権の支持に不透明な姿勢を示し、新政権に対する信任投票で不信任の可能性があります。不信任の場合には早期の総選挙の可能性に繋がります。また、ギリシャでも、ギリシャ新民主主義党のサマラス党首が同国向け第二次支援の条件である追加緊縮財政策に反対の意向を示しています。さらにメルケル独首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)は、ユーロ圏の国が同圏から離脱することを認める動議を採択しました。一連の状況から欧州各国の政治が安定して改革を実施できるかどうかには依然として不透明感が残っており、今のところマーケットの信頼を取り戻すことは難しい状態にあります。

 

債券市場では、イタリアに続いてスペイン10年国債利回りが8月以来の6%台まで上昇、対ドイツでのスプレッドもユーロ導入以来最大となりました。欧州周辺国の国債利回り上昇や対ドイツのスプレッド拡大はイタリアやスペインのみならず、高格付け国であるフランスやオーストリア、ベルギーなどにも拡大しています。その一方で、質への逃避で独・米国債は買われ、緩やかな利回り低下が進んでいます。一時的な楽観ムードは見せていますが、ネガティブな見通しを大幅に変更するようなことは考えていません。リスク回避のドル買い・円買いが優勢であり、クロス円にも徐々に下落圧力が加わっています。一旦6%台に低下したイタリア10年国債利回りですが、再び7%超えを継続する場合にはリスク回避の流れに拍車をかけることになります。

 

米国では財政赤字削減策をめぐる議会の特別委員会にとっての合意期限が迫る中、妥協点を見出すべく、歩み寄りを目指す動きが民主・共和両党から出始めました。この委員会は8月3日に成立した2011年予算管理法に基づき、1.2兆ドル以上の追加的な歳出削減の合意を目標としています。そのため、特別委員会は今後10年間に少なくとも1.2兆ドルの赤字削減策で合意する必要があり、合意できなければ2013年から自動的に支出削減策が発動されることになります。しかしながら、今のところは完全な合意は難しいと思われ、一部合意の可能性が高いと思われます。もしこの法案が合意に達しない場合、1.2兆ドルの支出削減策が発動されることになります。

 

注目点は合意失敗が各付け会社の見通し変更や格下げに繋がった場合であり、投資家のリスク回避姿勢が強まるでしょう。さらに給与税減税や失業保険給付延長など、短期的な景気下支え措置の打ち切りで財政引き締めによる景気悪化懸念に繋がりやすく、追加金融緩和(QE3)への期待が高まってドル売りが強まることになります。逆に1.2兆ドル以上の歳出削減で合意した場合にはポジティブなサプライズとなり、リスク資産の上昇に繋がることになるでしょう。

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オーストラリアドル(AUD/JPY)ポジション状況

豪ドル円ポジション状況(やや売り基調、90日線が上値抑える状態)
83.01円 200日移動平均線
81.16円 ピボットR3:損切り転換点
80.53円 ピボットR2
80.14円 90日移動平均線
79.86円 21日移動平均線
79.76円 一目均衡表:転換線
79.57円 ピボットR1
79.43円 一目均衡表:基準線
79.27円 5日移動平均線
79.09円 現在値
78.38円 50日移動平均線
77.98円 ピボットS1
77.35円 ピボットS2
76.39円 ピボットS3(損切り転換点)

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